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ゾイドとガンダムを好きなロボットアニメのオタクが語るブログ

演出と構成の「新次元戦闘」 ~EXODUS 7話

伝説の「新次元戦闘」回がこの前再放送でしたよ!

 

伝説たる所以

何が伝説って、まずサブタイトルが全 部 赤 文 字

『蒼穹のファフナー EXODUS』各話備忘録 - 蒼穹のファフナー ARCHIVE Wiki*

それまでは1文字だけ赤字、直前の6話は全部白文字と来てのこれです。

 そりゃあ何かあると思うじゃん!

(しかし改めて一覧で見ると14話~17話の赤文字大行進に発狂しそう…うう…広登……)

 

そして1話まるまる戦闘シーンという、

週刊アニメ(週刊…?)にはあるまじきスタッフ殺しな内容

そりゃあ雪風の監督さんが絵コンテ、HAEの監督さんが原画と演出で入るのもうなずけます。

布陣が劇場版だよこれ……

(なのでちょっとキャラ作画はレベル落としてましたよねw仕方ない…それは仕方ない)

 

とはいえ、普通は全編戦闘だとどこかたるんだりするじゃないですか…

少なくとも無印だったら動かないカットが結構あったと思うんですよ。

でもEXODUSはそんなことない。なぜなら3DCGを使っているから!!!

作画コストが減らせるので、最近は機体が3Dモデルな作品ばかりですよね。クオリティは別として…

でもファフナーの場合って撮影効果を凄くつけている印象なので、手間は変わらなそうな気が💧

世間的にはUfotableの撮影効果がかなり評価高いですが、

同じくらいオレンジのCGとXEBECの撮影技術も評価してほしいな~と常々思っています…

ゾイドのときからずっと……思っています……日の目を見てほしかったな………

 

フェストゥムの進化

そう、この話で恐ろしいのはフェストゥムのパワーアップなんです。顔のキモさは相変わらずだよ。

竜宮島に現れたウォーカーさん、ウーシア1体とスフィンクスを4体けしかけてくるのですが、

見事にファフナーパイロットたちのメタ能力を持ってるんですよ。

 ウーシア    → 彗   : 投げつけた武器を同化

 スフィンクス① → 里奈  : 弾や刃を防御するバリア

 スフィンクス② → 美三香 : ワームショットを連射

 スフィンクス③ → 霊央  : 四刀流

 スフィンクス④ → 芹   : スピード近距離型

明らかに前回の戦闘を学習してるんですよね…無印では感情を学習していましたが、

今回は更に戦闘結果を分析して、相手に有利な属性をぶつけてくる。もう積むじゃんそんなの…

 

あと個人的にフェストゥムのデザイン、というか肉感がだいぶ変わったなと思っていて、

無印だと無機質感が強く、腕が少し人体っぽい程度だったのがHAEで露骨に表情がつき、

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          無印                      HAE

EXODUSじゃこれだよ

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人類どころか怪物になってますが……単眼の顔が2つある……ヒン

いや見てほしいのは顔じゃなくてこっち!

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すごく、有機物の内部っぽいといいますか。

腕が生えるときのモリッとする筋肉のようなものとか、

刃を取り込むときのボコボコした組織とか…

気持ち悪いくらいに生きたクリーチャー感がするんですよね。

どんどんフェストゥムが生き物になっている事実を突きつけられた気がしました。

 

空間演出

無印の頃から、空と海の縦方向の立体感が凄く独特で見やすかったのですが、

EXODUSで更に奥行きが加わったと思います。

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こことか、止め絵だとわかりにくいかもしれませんが、

大量のシーモータルがウーシアに向かって手前から奥へと列を成して飛んでいるんです。

水平線と雲を配置して、その間をシーモータルが飛ぶことで

自分(ここでは彗の機体)とウーシアとの距離を見せている演出です。

この手の奥行き描写ってよく富野監督がやってるイメージなんですが、

ファフナーでもしっかり使われてますね。

 

ダメージ描写

初見で普通に芹は死んだと思ったんですよ…

サブタイ全部赤文字だし、アバンで弓子が明らかに弓子じゃなくなってたのもあって、

このまま島の子どもたちみんないなくなっちゃうんじゃないかって……

スフィンクス型の拳がツヴォルフのコクピットを直撃して

赤い液体がドバっと出た瞬間、ああこれは駄目だ……って絶望したんです。

だって、無印を経験してると、機体から血が出る描写というのはすなわち、

コクピットで誰かが死んだときということですから。

 

でもよく考えたらこの回、Aパートでスサノオが腕を落とされたとき、

落ちたパーツから血のようなものが出てる描写あったんですよね。

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ノートゥングモデル自体に血が流れている設定とかなかったですよね…?

痛みの演出のために入れたのか、

前もって「パイロットへの肉体ダメージがなくても液体出るよ」というヒントなのか

言及している記事等は見つからなかったので謎のままです…う~~~ん気になる

 

実際、芹はかなり出血をしていましたし、応答不能の瀕死状態だったはずなので

やはりコクピット付近からの血は駄目だと思っておきます…

ジークフリードを担当していた剣司にもダイレクトに痛みがフィードバックされ、

気絶してしまったということは、そういうことなはず。

この時の苦痛に悶える剣司の表情がたまらなかったとかそういう話はやめよう

 

新しい力の顕現

絶望に継ぐ絶望を見せておいてから、

満を持して織姫によって与えられた「新しい力」の披露。

お約束の展開と言われても、好きなものは好きだしやっぱり燃えます!

 

「死にたくない」と願った彗に呼応するキールブロック…

「乙姫ちゃんの島を守る」と誓った芹が復活し、武器を欲した彗の手元には続々と転送され、

「速く動け」と命じた零央は瞬間移動可能に(里奈は何かを願ったりはしてないか…?)。

戦う彼らの思いに応える力が続々と登場するだけで視聴者は爆上がりなのですが、

なんとまあそれだけじゃないんですよね。

 

そうです、ザルヴァートルモデル2機が 奴らが動くんです

 

もちろんそれも、一騎と総士の願いに応えた結果。

一騎は「俺の命は、まだここにある」

総士は「怪物を支配する力を」

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到底味方機とは思えないこの この禍々しさ

 

でも何よりこのニヒト登場からの演出が!!!神がかっているのです!!!!

たぶん見た人みんなが語っているとは思いますが私も語るぞ

 

ニヒトのアップに合わせて、オープニングの『イグジスト』が始まるのですが、

冒頭のコーラス「follow me follow you」を残してあとはインストゥメンタルなんです。

このコーラスだけが連続で流れるのに合わせて、

まるで歌詞に合わせるようにザインが起動するんです。

ニヒトとザインは表裏一体、常に一緒だと言わんばかりに。

このコーラスはそういう意味だったのか…!!!

 

そして剣司も復活し、機転を利かせて戦闘の相手を入れ替える指示。

これも地味に成長というか、新しい戦い方の明示だなあと思います。

それまでは個々に戦っていただけなのが、(彗の独断専行とかもあったにせよ)

ちゃんと剣司を司令塔としつつ、パイロット同士の連携も取れるようになっていて。

成長が感じられる…!

 

しかしなんと、2番からは歌詞が入ります。

「憎しみは血を巡って 身体はすり減った」

歌い出しと共に水しぶきが落ち、現れたツヴォルフ…

何なんですか? かっこよすぎるんですが!!!!

ありがとう羽原監督!

 

「もうこれ以上 困窮の思惑に 飲み込まれないように 行け」

このフレーズではスサノオがシールドタイプと戦って、切り伏せます。

途中、スフィンクス型からの視点になるのが新鮮でした!

あっこれ勝てない…って気持ちがすごくわかりますw

弾が遅いから絶対届かないうえに、自分が守れるのは前方だけなので

後ろを取られたら終わりですもんね。

 

スサノオのターンはサビ開始まで続き、 「有り余った慟哭」からアマテラスへチェンジ。

ここの画面構成も凄いんですよ。

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 キャプのタイミングが難しいんですけど、

連射タイプのスフィンクス型がほぼ直線的に弾を撃ってくるのに対し、

アマテラスがジグザグに飛行して全部避けてるんです、ここ。

画像の水柱の間を縫って迫ってくる臨場感が熱い!

水平線を斜めに置くことで奥行きを更に取っているので、

遠近感と合わせてスピード感も増し増しでした。

 

2番サビからは途中のコーラスを飛ばしてラストのサビラッシュに繋げ、

ツクヨミのゴウバインオンステージ!

無印のときからですけど、ゴウバイン組の口上は癖になるので何度でも聞きたいw

ここで放たれたゴウスパークは「拘束してからのねじ切り」というエグい技ですけど

美三香がやることでエグみが中和されてるのがいいですね😊

 

2回目の「有り余った慟哭」からは里奈にチェンジ。OPの再現という感じでしょうか。

剣司とリンクが繋がって安心したのか、ちょっと落ち着いてるのが彼女らしいです。

 

 

どのシーンも歌詞とリンクしていて、やはり書き下ろしのテーマソングこそだなと実感しました。

同時に、ファフナーという作品がものすごく作り込まれていることも。

ありがとう羽原監督!!!!!!!!!

(と言いつつ、実は2期の暉の暗示なんじゃと思う箇所がたくさんあるイグジスト…)

 

おまけ

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しょ、蝕だーーーーーーー!!!!!

 

 

 

本記事の画面キャプチャーはすべて、dアニメストア様の映像からいただきました!

anime.dmkt-sp.jp

(C)XEBEC・FAFNER EXODUS PROJECT