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ゾイドとガンダムを好きなロボットアニメのオタクが語るブログ

機動戦士ガンダム00のすごいところ! ~まさかのキャラ編②

いやほんと…ごめんなさい…キャラ編がロックオンで埋まると思わなくて…

さすがにこれで終わるので!終わるので…お付き合い願います…!

 

 

作られた狂人と既に狂っている人

なんといってもこの2種類の人間の描写が素晴らしいです。

前者は所謂「強化人間」で、ガンダムシリーズ恒例の枠です。

いつもなら大体、強化人間が戦いの中で命を落とし、悲恋となるパターンなので

本作もソーマとルイスは死ぬんだろうな~と思うじゃないですか。

 

ところがぎっちょん

 

死なねえ!!!!!!

ちゃんとマリーに戻ってアレルヤと幸せになる!!!!

ルイスももとに戻って沙慈のところに帰れる!!!!

さすがカップル錬成師・黒田洋介さんなんですよ。

生きてる。強化人間女子が生きてる。

いい意味で期待を裏切ってくれました…よかったね二人共…

 

でも、同じく「作られた」ネーナはどうでしょうか。

前述の2人とは違い、そもそも兵士として命から作られた身の彼女は、

戦闘に出されるだけ出され、用済みになったら始末され

(兄たちだけ殺されて、ネーナは逃げおおせましたけど)

「道具」としてしか扱われてないんです。

しかも2ndでは、自分の蒔いた種とはいえ、ルイスに圧倒的な機体性能差とともに殺される。

トリニティの3人は、何のために生まれたんでしょうね。

戦争の一番の被害者とも取れてしまう、あまりにも可哀相な存在でした。

無関係な一般人に向かって、再生医療すら効かない毒性粒子で攻撃をするなんて

もちろん絶対にやってはいけないことですが、彼女が生まれて数年しか経っていないこと、

おそらく兵士として作られているので一般的な情操教育がされていなさそうなことから見るに

しっかり管理下に置いていなかったアレハンドロの責任では?と思いたくもなります。

戦争下で狂うのはいつだって大人、子供はその被害者であるということを

強く実感させられるキャラクター造形に感じました。

個人的にはなんでヨハ兄があんな短いパンツなのかが気になって仕方ない

 

 

さて、そんな「狂わされた」彼女たちと一線を画するのが、

「既に狂っている」アリー・アル・サーシェスという男です。

ただただ戦いを求め、陣営を渡り歩く、素性も何もかも謎の男。

刹那を洗脳して少年兵にしたのも彼だし、

ロックオンの家族が巻き込まれたテロをさせたのも彼だし、

ロックオンや絹江を殺したのも彼だし、アザディスタンを滅ぼしたのも彼だし…

諸悪の根源か、ってレベルで物語の中で因縁だらけなんですよね。

しかも全部これ、自分の意思でやってるんですよ。

だって彼は「戦争がしたい」から。

戦えるならどんな行為でも厭わず、その戦いも「勝つために手段を選ばない」という

一貫した行動原理のせいで、魅力的なキャラに仕上がっているのがまた憎いところ。

こういう戦闘好きのキャラって、割と肉体派というか、感情先行型になりがちなのですが

彼は普通に軍や会社の上層部とやり取りができる交渉スキルも持ってますし、

少年兵を作り出すくらいには人心掌握もできるわけですし、

「戦争」という目的のために己の研鑽もちゃんとしてるんですよね…そういうところもズルい。

劇中ではド外道なはずなんですけど…めちゃくちゃ好き……くやしい

 

でも、彼の一番怖いところって、「自分が狂っている」と自覚していることだと思うんです。

絹江との会話で「最低最悪の人間です」と自虐したような発言をしているんですが、

これ、「自分は己を客観的に見た上で卑下できる、一歩引いた視点を持っている人間ですよ」

っていうアピールになっているんですよ…

己の異常さを自覚してなお、それを利用して長所に魅せているこのシーンは恐怖でした。

しかもこれから殺す相手に示しているわけです。

「お前が敵に回したのは、こういう男だぞ」と、わからせている…あまりにも恐ろしい男。

 

今までの作品にも戦闘狂のキャラっていましたけど、

Zガンダムヤザンはスキルが異常に高いだけで精神的には何の異常もないどころか、

卑劣な戦法は嫌いだし、部下思いの良い隊長です(縮んどるぞ~!)

∀ガンダムのギンガナムに至っては実戦すらしたことがないので

「戦ってみたい」という願望と、ディアナへの忠誠心がこじれた結果の暴走にすぎません。

(その暴走も、ディアナがギンガナム家を顧みなかったことに起因しているので

 己の存在価値を示すために戦いを望むのは仕方なかったと思うんですよね…

 エキセントリックな言動が独り歩きしてるだけで)

そんな2人と比較するとやはり、サーシェスの異質さは群を抜いているように感じます。

 

特に私の印象に残っているのは、物語の最中、一度もCBの名前を呼ばなかったことです。

正確には「正式名称で呼ばなかった」ですが。

一貫して「ソレスタルなんたら」って呼んでるんですよね。

興味のなさの現れなのか、それとも「お前らのことはどうでもいい」という煽りなのか…

個人的には後者であってほしいんですが、

独り言のときも「なんたら」と呼んでいるので前者に近いのでしょうか。

戦争根絶を望むCBに対して執拗に「なんたら」って呼ぶの、かなり屈辱だと思うんですよね。

あれだけ大々的に活動をしているのに、

肝心の敵が自分たちの名前を覚えていないって凄い悔しくないですか?

そういう感情の動きも把握しての呼び名だったとしたら、イカれた思考で最高です。

 

 

ライルとの戦いにおいても、降参した振りをして足掻こうとするあたりが本当に狡猾。

結局、ライルにはバレて早撃ちで殺されますが…あれ、ニールだったら無理だったかも…

あれだけ戦場を駆けて、戦いを望んでいた男の最期があんな形で

視聴者としてはダサいな~と感じるかもしれませんが、

白兵戦で騙し合って駆け引きをして、早撃ちで負けて…

ある種「最期まで戦いを楽しめた」ので、彼としては満足なのかもな、と思います。

満足して死ねたならいいんですよ。どんな死に方でも。

だから最期まで含めて、すごく好きなキャラですね。ラッセの次に。

 

 

…あれ……?

また文字数が凄いことになっているんですが…おかしいな……

スミルノフ親子や沙慈とルイス、ビリー周りを書きたかったんですけど…

 

すみません…あと1回だけ…あと1回だけお願いします……!!!!